1947年12月1日、パリ生まれ。フランスを代表する人気歌手。人生の辛酸を込めた憂愁を帯びたニューウェイヴ風ブルースに本領を発揮し、ハーモニカの奏でるアコースティックな音色も深い味わいがある。77年に歌手デビュー。80年のシングル“GABY OH GABY”が大ヒットとなり、81年のアルバム“PLAY BLESSURES”ではセルジュ・ゲンズブールが作詞で参加したことも話題を集めた。98年にはアルバム「軍隊幻想曲」“FANTAISIE MILITAIRE”のヒットでLES VICTOIRES DE LA MUSIQUEの大賞を受賞した。
映画では、81年に、楽曲を提供した「ネストール・ブルマ、ショックの探偵」"NESTOR BURMA, DETECTIVE DE CHOC"で俳優デビュー。
その後も、俳優として数多くの映画に出演する一方、ジャック・ドワイヨンの『女の復讐』(89)やカリム・ドリディの『ピガール』(94)といった、人間を深く見つめた生々しいドラマの中で、バションの歌が効果的に使用されている。
『フェリックスとローラ』は、パトリス・ルコントが彼の歌う“外 DEHORS”を聞いて、インスピレーションを得た物語というだけあって、本人もクラブ歌手役で出演。ライブで、CDとは一味違う“外”を聞かせてくれる一方、俳優としてもシャルロット演じるローラと曰くありげなミステリアスな中年男を、数少ない台詞のうちに静かに浮かび上がらせる不思議な存在感はさすがである。
このように近年では、歌手としての人気を超えて、俳優としての魅力にも注目が集まり、第9回フランス映画祭横浜2001で上映されたイラン・デュラン・コーエンの『カオスの中で』では、わずかな登場シーンながら、ヴァンサン・マルティネス演じる新入りの終身犯の世話をあれやこれやと焼く、釈放間近の服役犯の複雑な心理を狂言回し的に垣間見せ、その個性には唸らされる。テレビ作品への出演&楽曲提供も多い。