「君を信じているよ、ローラ」


ミラーボールがきらめく場末のナイトクラブ。ジャケットを脱ごうともせず、座席についたひとりの男が、ステージ上で憂愁に満ちた歌声を聞かせる歌手を凝視している。
思いつめたような眼をした男は、おもむろに銃を取り出すや、舞台上の歌手に向けた…。

その男、フェリックス(フィリップ・トレトン)は、移動遊園地のオーナーだ。バンパー・カーのチケット売り場に座り、お祭りの喧騒を楽しむお客たちの姿を眺めている。
ある夜、ひとりで遊園地に現われた娘(シャルロット・ゲンスブール)の姿が、フェリックスの好奇心を刺激する。孤独な様子で、何度もバンパー・カーに乗っては、いっこうに降りようとはしない彼女は、他のバンパー・カーにぶつけられても何の反応も示さない。
その後、遊園地のバーでふたたび彼女を見かけたフェリックスは、思いがけず彼女に「私を雇う気はない?」と尋ねられる。とっさに「いいよ」と答えたフェリックス。まだ名前すら知らないのに…彼女の名はローラ。フェリックスはローラに恋してしまったのだ。

翌朝、遊園地のチケット・カウンターにローラの姿があった。「私のこと、知らないのに」と言うローラに、フェリックスは「これから知ればいいさ」と応える。しかしそんなフェリックスの幸せも長くは続かなかった。ふらりと遊園地に現れては、遠くからローラを見つめている男(アラン・バシュング)のせいだ。男の姿に何故か怯えるローラ。「私、逃げるわ」とフェリックスに告げ、突然の強烈なキスを交わした彼女は、そのまま姿を消してしまったのだが…。