ここでは弊社の配給作品に限らず、フランス映画界の最新ニュースをお届けします。(毎週月曜日に更新)

Report-Yuko TANAKA (PARIS)





11 FEVRIER 2002

 先週お伝えしたマドンナがカンヌ登場?のニュースに引き続き、様々な噂が出て来た。まず開幕上映には1999年に引き続け!と「スターウオーズ:エピソード2」の名が。何しろ全米公開がカンヌオープニングの翌日5月16日なのだから、もしこの作品をワールド・プレミアとしてゲットできれば、名物会長ジル・ジャコブ氏もほくほくなのでは?しかしもう一つ見のがせないのがブライアン・デ・パルマ監督の新作『運命の女』“FEMME FATALE”。フランスで撮影されたこの作品は昨年のカンヌ映画祭のセットを使ったシーンがあり、なんとジャコブ会長も出演している!その他にもマーチン・スコセッシ監督の「ギャング・オブ・ニューヨーク」、ウッディ・アレン監督の“HOLLYWOODS ENDINGS”など、オープニングまたは招待作品の候補は目白押し。そして最も気になるコンペティション部門だが、常連監督の新作で製作最終段階に入っているものだけでも、フランコ・ゼッフィレリ監督の“CALLAS FOR EVER”、ロマン・ポランスキー監督の『ピアニスト』“LE PIANISTE”、ケン・ローチ監督の“SWEET SUXTEEN”、マイク・リー監督の“UNTITLED 2001”、デヴィッド・クローネンバーグ監督の“SPIDER”、トマス・ヴィンテルベルグ監督の“IT'S ALL ABOUT LOVE”、サム・メンデス監督の“ROAD TO PERDITION”…と夥しい数。フランス勢からはオリヴィエ・アサイヤス監督の野心作“DEMONLOVER”、ロベール・ゲディギアン監督(「マルセイユの恋」)の『マリー=ジョーと彼女の恋』“MARIE-JO ET SES DEUX AMOURS”、ダルデンヌ監督の『息子』“LE FILS”、ギャスパー・ノエ監督の『不可逆』“IRREVERSIBLE”、レミ・ウオーターハウス監督の『1000分の1000』“MILLE MILLIEME”、新参の女性監督もニコル・ガルシア監督、ダニエル・オートゥイユ主演の『敵』“L'ADVERSAIRE”、クレール・デュベール監督、オードレイ・トトゥ、マリー・トラティニャン出演の『遭難した船乗り』“MARINS PERDUS”、トニー・マーシャル監督、カトリーヌ・ドヌーブ主演の『天国に一番近い所で』“AU PLUS PRES DU PARADIS”、デルフィーヌ・グレイズ監督、ジャック・ガンブラン、キアラ・マストロヤンニ主演の『虐殺』“CARNAGES”、そしてソフィー・マルソー初監督作品の『語ってよ、愛の言葉』“PARLEZ-MOI D'AMOUR”…とここまでくると「何でもあり?」ともいえるかも…。映画祭まで残すところ3か月。さあ、この噂話、どう進展するか?


 今年のセザール名誉賞の受賞者が2月4日に発表、アヌーク・エイメ、クロード・リッシュ、ジュレミー・アイアンズに決定した。クロード・ルルーシュ監督の「男と女」で知られるアヌーク・エイメは同監督を始め、フェデリコ・フェリーニ監督、ジャック・ドゥミ監督の作品など、70作品以上に出演。セザール賞は1979年に『私の初恋』“MON PREMIER AMOUR”で最優秀主演女優賞にノミネートされている。最近は出演作がめっきり減ったが、公式の場に現れた時のその存在感は大女優ならでは。対してくロード・リッシュは大ヒット中の『アステリックスとオベリックス』にも出演と今も元気に活躍中。80本以上の出演作中、『夜食』“LE SOUPER”で93年最優秀主演男優賞を受賞、95年の「ソフィー・マルソーの三銃士」と2000年の「ブッシュ・ド・ノエル」で最優秀助演男優賞にノミネートされている。そしてジェレミー・アイアンズは海の向こうの俳優だが、今年はファニー・アルダンとの共演作『カラス フォー・エバー』“CALLAS FOR EVER”やクロード・ルルーシュ監督の新作『紳士淑女の皆さん』“AND NOW, LADIES AND GENTLEMAN”の公開を控えるなど、すっかりフランスづいている。まったくバラバラなタイプの3人だが、受賞に関してどのようなスピーチを披露するかが楽しみ!


 毎年送られるフランスの映画業界誌LE FILM FRANCAISの2001年度のトロフィー授与式が2月1日木曜日にエスパス・カルダンにて開催、「今年の人」に俳優のアンドレ・デュソリエが選ばれた。昨年は6本の長篇作品に出演したが、その他にも「アメリ」でナレーションも担当。そして、なんと今年のセザール賞では主演男優賞、助演男優賞とダブル・ノミネートと、その引っ張りだこぶりと実力が見事に正比例している。同誌によると彼は「映画界の偉大な職人として模範的なキャリアを築いた」と評価されている。さて、LE FILM FRANCAISは毎年、各分野で最大の最高を収めたものにもトロフィーを送っているが、最優秀作品賞には「アメリ」(820万人動員)、外国語作品賞には「ハリー・ポッターと賢者の石」(690万人動員)、新人監督作品賞にはクリスチャン・カリオン監督の『一羽のツバメが春を呼んでくる』“UNE HIRONDELLE A FAIT LE PRINEMPS”、最優秀集客映画館には毎度のことながらパリの中心、レ・アールにあるUGC CINE-CITE LES HALLES(300万人以上を動員)が受賞した。


 1999年に『人間の体、獣の心』“PEAU D'HOMME, COEUR DE BETE”でデビューした女性監督エレーヌ・アンジェルが野心的な新作『赤いドラゴン』“DRAGON ROUGE”(仮題)の準備に入っている。第1次十字軍遠征を舞台にした歴史ドラマの本作だが、なんとスタイルとしてはアクション、ファンタジー、ウェスタンが混ぜ合わせられたものになるそう。確かに「ジェヴォーダンの獣」のように型にはまらない作品はフランスでも増えてきているが、これが女性監督の手にかかると一体どうなる?.出演にはダニエル・オートゥイユ、エマニュエル・デュヴォス、セルジ・ロペス、製作費用も910万ドル(6000万ユーロ)と大きなこのプロジェクト。撮影は4月にスタートし、12週間をかけてローヌ・アルプス地方とカマルグ地方で行われる。


 1月14日付けでお伝えしたヴァンサン・カッセル出演のハリウッド映画“THE SIN EATER”(ブライアン・ヘルゲランド監督)。先月中旬にローマで撮影はスタートしたが、なんとそのヴァンサンが「監督とのアーティストとしての意見の違い」を理由に降板したことが、2月4日、彼のオフシャル・サイト上で発表された。彼が演じるはずだった司祭は実はシリアル・キラー。その役作りの見解に対して不一致が生じ、監督の意向するものを見い出せないとして降板することを選んだそうで、それに関しては穏やかに話が進んだとのこと。残念なことに初のアメリカ映画進出が消えてしまった訳だが、フランスでの出演以来も次から次からやってくるヴァンサン。アメリカ映画のプレッシャーに屈しず、自己の役者としての意志を全うする所にモニカ・ベルッチも惚れたのでは…?

ヴァンサン・カッセル公式サイト
www.vincentcassel.com


 以前もこのコーナーで何度かお伝えしたサミー・ナセリ(「タクシー」)の不祥事ぶり。今回は昨年6月6日水曜日にパリの歓楽街サンドニ通りでヘロイン100フラン分を購入したかどで法定に出廷。執行猶予付き6か月の禁固刑が求刑された。ナセリ側の弁護士によると、彼が捕まった際に警察側は問題のヘロインを見つける事ができなかったこと、彼が受け取ったとされる包みは100フランのヘロイン分には値しないと証拠不十分を主張している。しかし、何はともあれ問題は、彼がこの事件を起こしたのは、スチュワーデスの暴力を振るったとして、やはり執行猶予付き3か月の禁固刑と罰金3048ユーロ(2000フラン)の判決を受けた翌週に起きていること。よっぽど懲りないのか、またこの判決が原因だったのか…。判決は22月19日に下されるがが、以前にも自動車を運転中に他のドライバーともめ事を起こし警察に連行された過去もあるナセリ。仏の心も3度まで、そろそろ真剣に心を入れ替えてくれないと、せっかくの俳優生命も水の泡では?


*1月28日付けのニュース「2世プロデューサーのお手並み拝見?」でお伝えした “FANTOMAS”のリメークは伝説的無声映画のほうではなく、60年代にジャン・マレー主演でヒットした「ファントマシリーズ」のリメークの誤りでした。ここに慎んでお詫び申し上げます。(ちなみにリメーク版の出演はファントマにジャン・レノ、彼を追い掛けるジューブ警部にジョゼ・ガルシアになる模様です。)




7 FEVRIER 2002

 3月2日土曜日、シャトレ劇場で開催される第27回セザール賞のノミネート作品が2月4日、発表になった。国際的なヒットとなった「アメリ」が予想通り、最多の13部門にノミネート。続いてシネマパリジャン配給の「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)と『将校たちの部屋』(フランソワ・デュペイロン監督)が9部門。また最優秀新人監督作品賞にはイヴァン・アタル監督の「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」もノミネートされた。

セザール賞の公式サイト www.lescesarducinema.com

*最優秀作品賞
『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
『カオス』“CHAOS”(コリーヌ・セロー監督)
「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
「砂の下」(フランソワ・オゾン監督)
「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)

*最優秀監督賞
ジャック・オディアール監督「リード・マイ・リップス」
パトリス・シェロー監督「インティマシー/親密」
フランソワ・デュペイロン監督『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”
ジャン=ピエール・ジュネ監督「アメリ」
フランソワ・オゾン監督「砂の下」

*最優秀主演男優賞
ミッシェル・ブーケ『僕はいかに父を殺したか』“COMMENT J'AI TUE MON PERE”(アンヌ・フォンテーヌ監督)
エリック・カラヴァカ『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
ヴァンサン・カッセル「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)
アンドレ・ドゥスリエ『タンギー』“TANGUY”(エティエンヌ・シャティリエーズ監督)
ジャック・デュトロン『セ・ラ・ヴィ』“C'EST LA VIE”(ジャン=ピエール・アメリス監督)

*最優秀主演女優賞
エマニュエル・ディヴォス「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)
カトリーヌ.フロ『カオス』“CHAOS”(コリーヌ・セロー監督)
イザベル・ユペール「ピアニスト」(ミヒャエル・ハネケ監督)
シャーロット・ランプリング「砂の下」(フランソワ・オゾン監督)
オードレイ・トトゥ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

*最優秀助演男優賞
エドワール・バエ『ベッティ・フィッシャーとその他の物語』“BETTI FISHER ET AUTRES HISTOIRES”(クロード・ミレー監督)
ジャメル・ドゥブーズ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
アンドレ・ドゥスリエ『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
ジャン=ポール・ルシヨン『一羽のツバメが春を呼んでくる』“UNE HIRONDELLE A FAIT LE PRINEMPS”(クリスチャン・カリオン監督)
リュフ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

*最優秀助演女優賞
ニコル・ガルシア『ベッティ・フィッシャーとその他の物語』“BETTI FISHER ET AUTRES HISTOIRES”(クロード・ミレー監督)
アニー・ジラルド「ピアニスト」(ミヒャエル・ハネケ監督)
ノエミ・ルボフスキー「ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール」(イヴァン・アタル監督)
イザベル・ナンティ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
リン・ルノー『カオス』“CHAOS”(コリーヌ・セロー監督)

*最優秀新人男優賞
エリック・ベルジェール『タンギー』“TANGUY”(エティエンヌ・シャティリエーズ監督)
ステファノ・カセッティ『ロベルト・スッコ』“ROBERTO SUCCO”(セドリック・カーン監督)
グレゴリ・デランジェール『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
ジャン=ミッシェル・ポルタル『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
ロバンソン・ステヴナン『悪いジャンル』“MAUVAIS GENRES”(ローラン・ベネギ監督)

*最優秀新人女優賞
ラシッダ・ブラクニ『カオス』“CHAOS”(コリーヌ・セロー監督)
マリオン・コティラール『素敵なこと』“LES JOLIES CHOSES”(ジル・パケ=ブルネ監督)
エレーヌ・フィリエール『ある一日の女王たち』“REINES D'UN JOUR”(マリオン・ベルヌー監督)
エレーヌ・ド・フジュロール「恋ごころ」(ジャック・リヴェット監督)
イジルド・ル・ベスコ『ロベルト・スッコ』“ROBERTO SUCCO”(セドリック・カーン監督)

*最優秀新人監督作品賞
アルテュス・ド・ペンゲルン監督『グレゴワール・ムラン ヒューマニティと戦う』“GREGOIRE MOULIN CONTRE L'HUMANITE”
イヴァン・アタル監督「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」
ダニス・タノヴィック監督「ノーマンズ・ランド」
ジャック・ぺラン、ミッシェル・デュバ、ジャック・クルゾー共同監督『移動する群集』“LE PEUPLE MIGRATEUR”
クリスチャン・カリオン監督『一羽のツバメが春を呼んでくる』“UNE HIRONDELLE A FAIT LE PRINEMPS”

*最優秀脚本賞
ジャック・オディアール、トニノ・ブナキスタ「リード・マイ・リップス」
フランソワ・デュペイロン『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”
ギヨーム・ローラン、ジャン=ピエール・ジュネ「アメリ」
コリーヌ・セロー『カオス』“CHAOS”
ダニス・タノヴィック「ノーマンズ・ランド」

*最優秀外国映画賞
「マン・フー・ワズント・ゼア」ジョエル・コーエン監督
「息子の部屋」ナンニ・モレッティ監督
「ムーラン・ルージュ」バズ・ラーマン監督
「マルホランド・ドライヴ」デヴィッド・リンチ監督
「トラフィック」スティーヴン・ソダバーグ監督

*最優秀映画音楽賞
ブルノ・クレ『移動する群集』“LE PEUPLE MIGRATEUR”(ジャック・ぺラン、ミッシェル・デュバ、ジャック・クルゾー共同監督)
アレクサンドル・デスプラ「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)
ジョセフ・ロ・デュカ「ジェヴォーダンの獣」(クリストフ・ガンズ監督)
ヤン・ティルセン「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

*最優秀撮影賞
ブルノ・デルボネル「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
永田鉄男『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
マチュー・ヴァドピエ「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)

*最優秀美術賞
アリーヌ・ボネット「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
アントワーヌ・フォンテーヌ『英国婦人と公爵』“L'ANGLAISE ET LE DUC”(エリック・ロメール監督)
ギイ=クロード・フランソワ「ジェヴォーダンの獣」(クリストフ・ガンズ監督)

*最優秀録音賞
マルク=アントワーヌ・ベルダン、パスカル・ヴィラール、シリル・ホルツ「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)
ジャン=ポール・ムゲル、シリル・ホルツ「ジェヴォーダンの獣」(クリストフ・ガンズ監督)
ジャン・ウマンスキー、ジェラール・アルディ、ヴァンサン・アルナルディ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

*最優秀編集賞
エルヴェ・シュネ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
ジュリエット・ウェルフィング「リード・マイ・リップス」(ジャック・オディアール監督)
マリー=ジョセフ・ヨヨット『移動する群集』“LE PEUPLE MIGRATEUR”(ジャック・ぺラン、ミッシェル・デュバ、ジャック・クルゾー共同監督)

*最優秀衣装賞
ドミニク・ボルグ「ジェヴォーダンの獣」(クリストフ・ガンズ監督)
カトリーヌ・ブシャール『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)
マドレーヌ・フォンテーヌ「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)
ピエール=ジャン・ラロック『英国婦人と公爵』“L'ANGLAISE ET LE DUC”(エリック・ロメール監督)

*最優秀短編賞
『8月最初の日曜日に』“AU PREMIER DIMANCHE D'AOUT”(フローランス・ミエ監督)
『妻の断片』“DES MORCEAUX DE MA FEMME”(フレデリック・ペル監督)
『12の少女』“LES FILLES DU DOUZE”(パスカル・ブルトン監督)
『ミルヴァッシュ(経験)』“MILLEVACHES(EXPERIENCES)”(ピエール・ヴィヌー監督)
『りんご、いちじく、アーモンド』“LA POMME, LA FIGUE ET L'AMANDE”(ジョエル・ブリス監督)




4 FEVRIER 2002

 2月6日のオープニングが秒読状態にはいったベルリン国際映画祭。コンペティション部門にシネマパリジャン配給の「ブリジット」(アモス・コレック監督)が選ばれた。23本中、フランス映画は4本とドイツ映画と並んでトップ。尚、閉会式には今まで未公開だった「チャップリンの独裁者」の撮影現場の映像が上映されることになった。

公式コンペティション作品
「ブリジット」(アモス・コレック監督/日本・フランス合作)
『通行許可証』“LAISSEZ-PASSER”(ベルトラン・タヴェルニエ監督/フランス)
『8人の女性たち』“8 FEMMES”(フランソワ・オゾン監督/フランス)
『月曜日の朝』“LUNDI MATIN”(オッター・イオッセリアー二監督/フランス)
『アーメン』“AMEN”(コスタ・ガブラス監督/フランス)“HEAVEN”(トム・ティクワ監督/ドイツ)

*開幕上映作品
“A MAP OF THE HEART”(ドミニク・グラフ監督/ドイツ)

*閉幕上映作品
“GRILL POINT”(アンドレアス・ドレッセン監督/ドイツ)
“BAADER”(クリストファー・ロス監督/ドイツ)
“THE ROYAL TENENBAUMS”(ウェス・アンダーソン監督/アメリカ)
“MONSTER'S BALL”(マーク・フォースター監督/アメリカ)
“THE SIPPING NEWS”(ラッセ・ハルストレム監督/アメリカ)
“BENEATH CLOUDS”(イヴァン・セン監督/オーストラリア)
“TEMPTATIONS”(ゾルタン・カモンディ監督/ハンガリー)
“MINOR MISHAPS”(アネット・K・オレセン監督/デンマーク)
“BURNING IN THE WIND”(シルヴィーノ・ソディーニ監督/イタリア・スイス合作)
“STONES”(ラーモン・サラザール監督/スペイン)
“ONE DAY IN AUGUST”(コンスタンチノス・ジアナリス監督/ギリシャ)
“IRIS”(リチャード・アイアー監督/イギリス)
“BLOODY SUNDAY”(ポール・グリーングラス監督/イギリス)
「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督/日本)
「KT」(阪本順治監督/日本)
“BAD GUY”(キム・キ・ドゥク監督/韓国)

招待作品
“GOSFORD PARK”(ロバート・アルトマン監督/英米独合作)
“TAKING SIDE”(イスツファン・サボ監督/ドイツ)
“VIEL PASSIERT-DER BAP FILM”(ヴィム・ヴェンダース監督/ドイツ)
“THE PATRIOTS”(アレクサンダー・クルグ監督/ドイツ)
“HAPPY TIME”(チャン・イーモウ監督/中国)
“A BEAUTIFUL MIND”(ロン・ハワード監督/アメリカ)
“A PRAYER FOR HETMAN MAZEPA”(ジュリッジ・イレンコ監督/ウクライナ)
“アマデウス ディレクターズ・カット”(ミロス・フォアマン監督/アメリカ)


 まず3月2日に開催される第27回セザール賞。ナタリー・バイが昨年のダニエル・オートゥイユの後を引き継いで同授賞式のプレジデントに就任することが発表された。現在、51才(に見えない!)の彼女はセザール賞のノミネートが7回、そのうち受賞経歴は最優秀助演女優賞が81年の「勝手に逃げろ 人生」(ジャン=リュック・ゴダール監督)、82年の『奇妙な事件』“UNE ETRANGE AFFAIRE”の2回と83年の「愛しきは女 ラ・バランス」(ボブ・スウェイム監督)の最優秀主演女優賞。まさにセザールの顔の一人といえる彼女のスピーチに期待したいところ。そして4月初旬に開催されるパリ映画祭FESTIVAL DU FILM DE PARISはイザベル・アジャーニが名誉プレジデントに。並行して開催される短編映画部門の審査委員長はマリア・シュナイダー、映画化にふさわしい文学作品に送られるシネ−ロマン部門には、またまたナタリー・バイが就任。年々、知名度の高くなっているこの映画祭は今までのシャンゼリゼ周辺の2会場に加え、さらにサンジェルマン・デ・プレなど4つの映画館でも選ばれた作品が上映される事になり、さらに一般観客が参加しやすくなる様。今年はスペイン映画にオマージュが捧げられ、ペドロ・アルモドバルやカルロス・サウラなど監督陣やペネロぺ・クルス、アントニオ・バンデラスなどのスターも登場するとか。


 こちらは開催までまだ3か月以上もあるカンヌ映画祭だが、なんと初の噂話は「マドンナ登場」!というのも複数のファンサイトで彼女が主演、旦那様ガイ・リッチーが監督する“LOVE, SEX, DRUGS AND MONEY”が同映画祭の主催者の間で人気上々と報告されているのだ。しかし、この噂、あくまでも「特別招待作品」として。70年代イタリアのコメディ映画のリメークである本作品の正式公開は2002年の秋が予定されているので、カンヌに選ばれればこれが事実上のワールドプレミア。つまり昨年の「ムーラン・ルージュ」の二番煎じということ?話題性は満点なだけに、なんだか映画祭側と製作者側の「宣伝」的な匂いがプンプンするのも否めない?


 『アステリックスとオベリックス:クレオパトラの使命』 “ASTERIX ET OBELIX:MISSION CLEOPATRE”の衣装がオフィシャルサイトのwww.ebay.frwww.missioncleopatre.club-internet.frで2月17日までオークションにかけられている。主演クリスチャン・クラビエとジェラール・ドパルデューの二人の衣装はもちろん、ローマ兵、エジプト兵のものやアクセサリーなどもオークションにかけられている。しかし、なんといっても目玉はモニカ・ベルッチ演じるクレオパトラのネグリジェとか!スタートの値段は全て1ユーロから。フランス映画史上最大の制作費5000万ユーロをかけられて作られたこの作品だが、この収益金は子供の人権を守るために作られた団体組織ENFANCE ET PARTAGEなどに全額寄付される。


 さて話題の『アステリックスとオベリックス:クレオパトラの使命』に引き続き、ジェラール・ドパルデューが新たにローマ帝国時代のガリア人の英雄に挑戦することに明らかになった。
“IMPERIUM”というタイトルのこの作品はドイツ製作による6話構成のテレビドラマで製作費用は1億ユーロを超えるという大プロジェクトで『アステリックス…』とは違う大真面目バージョン。製作するKIRCHMEDIAは今までにドパルデュー主演のテレビドラマ『モンテクリスト伯』『レ・ミゼラブル』『ナポレオン』を共同製作している仲なので、このキャスティングは当たり前?しかし大問題が一つ残されている。ドパルデューが演じるのは昨年、クリストファー・ランベール主演で映画化されたベルサンジェトリックスだが、この伝説的英雄の殉年は26才。現在51才のドパルデューがどこまで本人像に迫れるか?それとも「ドパルデュー」節で押し切ってしまうのか…
撮影は2月下旬にチュニジアでスタートするが、それまでにお腹だけでもすっきりさせてほしい!


 「エスター・カーン めざめの時」のアルノー・デプレシャン監督が現在、第4作めにあたる新作『王様と王女』“ROIS ET REINE”の準備中。、愛する人との結婚を控えた30才の女性ノラと間違いから精神病院に収容された男性イスマエルの二つの物語が重なり合うスタイルで、この二人の間に曖昧な関係が生まれて行く…というストーリーで、脚本は「天使が夢見た人生」のロジャー・ボーボの手によるもの。キャステイングはまだ発表されていないが、サマー・フェニックスを見い出した同監督が現代劇に戻ってどのような選択をするか楽しみなところ。製作費用は500万ユーロになる見込み。


 「ヴィドック」の日本公開を控える監督ピトフ。特殊効果出身の同監督の新作『アニマル』“ANINMAL”はサイエンス・スリラーで、遺伝子操作から生まれた「ジギルとハイド」のような2重人格者を扱っている。この作品、当初、「宮廷料理人ヴァテール」の監督ローラン・ジョフェにいった企画を彼自身が断念、大手製作会社ゴーモンの手から最終的に「クリムゾン・リバー」を製作した LEGENDE ENTREPRISESに渡ったという曰くつき。実は、この両監督の2作とも、フランスでは製作費の大きさや前評判に比べ期待通りの興行成績を得られなかったという「過去」(ちなみに2作品ともドパルデュー主演…)がある。さあ、この作品、出来映えはどうなるか、製作会社と監督の意地の見せ所?


 1月18日から27日にかけて開催された第14回アンジェ・プルミエ・プラン映画祭。さまざまなイベントの一環としてモーリス・ピアラ監督のテレビドラマを含めた全作品が上映された。現在、77才の同監督は「フランス映画史上、最も偉大な監督の一人」と言われ、特に知識層から熱狂的なファンを持ち、長年、新作が待たれていたが、数年前から闘病生活中を強いられている。様々な招待の場でもやむを得ず欠席ということが多かったが、今回の回顧上映に合わせて講演会「映画のレッスン」も。そして閉幕式では同映画祭の審査委員長ナタリー・バイ(またまた!)とジェラール・ドパルデュー(またまたまた!)に支えられて登場した。80年の『ルル』“LOULOU”やカンヌ・パルムドールを獲得した87年の「悪魔の陽の下に」、そして最も新しい作品である95年の『ル・ガルス』“LE GARCU”まで、同監督の作品と共に成長してきたともいえるドパルデューは「病身の私の所に足繁く通ってくれる数少ない一人」であるとか。ドパルデュー自身も「彼のような監督を見つけるのは簡単とは言えない。彼の(映画界での)不在が寂しい」と語った。満席の会場のスタンディング・オーべーションを受けて感動を露にした同監督だが、残念なことに、今回の映画祭で同監督の健康状態がすでに映画を撮れる状態にないことを公的に発表した。




28 JANVIER 2002

 40年のキャリアに終止符を打ったデザイナー、イヴ・サン・ローラン氏。その最後のオート・クチュール・コレクションが1月22日火曜日、パリのポンピドーセンター で華々しく開催されたが、フィナーレを親友カトリーヌ・ドヌーブとレティシア・カ スタが飾った。バルバラの『私の一番美しい愛の物語』“MA PLUS BELLE HISTOIRE D'AMOUR”を歌いながら登場した二人は、サンローランのトレードマークともいえるスモーキング姿。レティシアは10月の出産以降、公の場に姿を表すのはひさしぶりだが、もともとグラマラスの体型は3か月の間にすっかり元通り!さらに出産の経験と母親の自覚からか女らしさもグンとアップ。モード界、社交界、政治界からも続々と詰め掛けた伝説的デザイナーのフィナーレという大役を堂々とこなしていた。パトリス・ルコント監督の「ラブ・ストリート」(シネマパリジャン配給)のフランス公開も2月13日と近付いて来たが、その時がまさに再起動となるレティティア。パリが彼女で埋め尽くされるのが楽しみ!


 「パリ原色大図鑑」で大成功を収めた脚本家コンビ、ジェラール・ビットンとミッシェル・ムンツが初監督に挑戦、2月18日から撮影に入ることになった。『ああ!もし僕が金持ちだったら』“AH! SI J'ETAIS RICHE”という、いかにもコメディなタイトルのこの作品は、庶民階級出身の男性アルドが主人公。まさに離婚しようとしているときにロト(フランスの宝くじ)で大金を手にするが、それを家族にも友人にも内緒にして二重生活を送るはめになる…というストーリー。アルドを演じるのは、名バイプレーヤーで知られ、最近は主役級でも引っ張りだこのジャン=ピエール・ダルッサン。その妻にはヴァレリア・ブルニ=テデスキ(シネマパリジャン配給「ありふれた愛のおはなし」)、リシャール・ベリ、ジンディン・スアレム(「猫が 行方不明」)などなど芸達者揃い。さて、「パリ…」を超えるヒット作になるかどう かな?


 2000年にフランス公開された『俳優たち』“ACTEURS”がすっかりこけてしまい、しばらく身を潜めていたベルトラン・ブリエ監督。次回作はベッソン製作の『特別警察』“SPECIAL POLICE”と見られていたが、結局、自作の舞台『カツレツ』“LES COTELETTES”の映画化に治まった。1997年に上演され大成功をおさめた本作は、政治的に右派と左派と真っ向から対立する初老の二人を描いた密室劇。折しもの大統領選にぴったりのストーリ?主役を演じるのは舞台同様、フィリップ・ノワレとミッシェル・ブーケということでベテランの妙演が楽しめそう。撮影は春にスタート、製作はアラン・サルド・フィルム。


 先週公開されたジャンヌ・モロー主演の『この恋』“CET AMOUR-LA”が好評のジョゼ・ダヤン監督が、現在、映画とテレビドラマの2つの企画を進行中であることを明らかにした。まず、映画はギョーム・ドパルデュー主演のコメディー『女性たちよ。あなたたちを愛する。』“FEMMES JE VOUS AIME”。15人の女性と一人のもてもての男性の話…と思いきや、なんとギョーム君の役柄は性転換者!15人の女優名はまだ明らかにされていない。そしてテレビドラマの方は小説「危険な関係」の映像化。今まで、何度も映画化、舞台化されてきたこの作品。今回、主役陣を演じるのはカトリーヌ・ドヌーブ、ルパート・エバレット、ナスターシャ・キンスキ−と豪華キャスト!カトリーヌ・ドヌーブは今までテレビドラマの経験はゼロ。しかし昨年10月15日付でお伝えしたブノワ・ジャコ監督の作品といい、これからめっきりテレビづいてくる?撮影は3月中旬にスタートするということ。今、乗りに乗る女性監督ジョゼ・ダヤンだが、幾らテレビドラマで有名になったとしても、ちょっと彼女もこちらの方に気合いを入れ過ぎ?


 さて、もう一つ、テレビドラマのお話。フランスで一番若い地上波民放テレビ局M6がエマニュエル・べアール主演、ベルトラン・タベルニエ監督によるテレビドラマ『ヴェロニク・バッスール、ラ・サンテ刑務所の医師』“VERINIQUE VASSEUR, MEDECIN CHEF A LA PRISON DE LA SANTE”の放映権を断ったというニュースが入って来た。同名人物が自らの経験を綴った本のテレビドラマ化となる本作、M6側の断った理由は明らかにされてないが、フランスを代表する監督とスター女優という魅力も効かなかったわけで、この二人が躍起になるのは必死?慌てた製作会社のLITTLE BEARは他のテレビ局への打診に入ったとのこと。M6はちょっとちゃんとしたニュース枠も持たず、アニメやヴィデオクリップ、そしてちょっと過激な番組ラインナップで知られる。今回の選択が凶とでるか吉とでるかは視聴率のみが知る?


 ジャック・ドワイヨン監督、シャルロット・ゲンズブール主演の「愛されすぎて」(’92)やオリビエ・アサヤス監督の「パリ・セヴェイユ」(’91)に出ていたトマ・ラングマン。実は彼はプロデューサーで映画監督でもあるクロード・ベリの息子だが、その父に続けとばかりに製作業をスタートすることに。以前にお伝えしたヤン・クーネン監督の『ブルーベリー』、伝説的無声映画“FANTOMAS”のリメークなどなど盛り沢山だが、なんとハリウッド映画「48時間」のリメークをジャン・レノとジャメル・デュブーズ(「アメリ」)で!という企画を練っている最中だとか。本人が出ていた作品のイメージからするとちょっとびっくりの商業路線だが、これはやはり父譲り?初プロデュース作品は4月10日フランス公開にまるブノワ・プールボールド、ジェラール・ランヴァン主演の『足かせ』“BOULET”。これが製作業のお手並み拝見となるか?


 初長篇作品『新しい肌』“PEAU NEUVE”が横浜フランス映画祭でも上映された女性監督エミール・ドゥルーズ。その彼女が現在、第2作め『誰がV氏の死を願ったか?』“QUI VEUT LA MORT DE MISTER V”を準備中。馬の動きの分析に異常なまでに情熱をそそぐ主人公科学者ルカが、その兄で馬の調教師で詐欺もはたらくルイジがある日、種馬によって事故死することか、人生に行き詰まって行く…という、またまた男性的なイメージの作品。出演はマチュー・ドゥミ、オーレ・アッティカ(「パリ原色大図鑑」「サム・サフィ」)。しかし、馬のギャロップ運動は映画創成期にやはり科学者たちによって撮影された題材のひとつ。こんなところから作品のアイデアを持ってくる所は、さすが映画理論にも多大な影響をもたらした哲学者ジル・ドゥルーズの娘といえるかも!撮影は5月にスタートする。




21 JANVIER 2002

 さて開催を半月後に迎え続々とニュースが入ってくるベルリン国際映画祭。作家性の高いインディペンデント作品が集まるパノラマ部門の3分の2の作品12本がフランスプレスより明らかになった。その中には昨秋にフランスで公開されたジャック・オーディアール監督の「リード・マイ・リップス」(シネマパリジャン/メディアスーツ共同配給)やコリーヌ・セロー監督の『カオス』“CHAOS”、これから公開になるフランソワ・アルマネ監督の『ドラッグストアの仲間』“LA BANDE DU DRUGSTORE”、トニー・ガトリフ監督の『スウィング“SWING”と4本のフランス映画が!その他にはこれが初メガホンとなるジョン・マルコビッチの“THE DANCER UPSTAIRS”、岩井俊二監督の「リリィ・シュシュのすべて」などもラインナップ。他のセレクションと共に正式な最終リストは1月末に明らかになりが、どうやら今年のベルリンはフランス映画が熱くなりそう?


 開幕まで後4か月を切った第55回カンヌ映画祭の審査委員長がデビッド・リンチ監督に決定した。1990年に「ワイルド・アット・ハート」でパルムドールを、昨年は「マルホランド・ドライブ」で監督賞を受賞した同監督はまさにカンヌ映画祭の常連。アメリカよりもフランスでの評価が高いとされ、作品もヨーロッパの製作会社が出資しているほど。今年は同監督の新作がないことからまさに審査委員長を務める絶好の機会となった。この任命を受けて同監督は「興奮と不安を同時に感じている。世界で最も大きな映画祭の審査委員長を務める光栄を受け取ると共に責任を引き受けたことも自覚している。」と語っていた。ちなみに同映画祭は今年から今までの名称 「カンヌ国際映画祭 FESTIVAL INTERNATIONALNDU FILM DE CANNES」を「カンヌ映画祭 FESTIVAL DE CANNES」に簡略化。合わせてロゴやシンボルマークも変更される模様。


 1月12日土曜日、外国人映画ジャーナリストが選ぶルミエール賞が発表になった。今年で7回めを迎える同賞は、セザール賞の1か月前に発表されることので、その前哨 戦と注目されているが、今年は世界的に評価された「アメリ」が最優秀作品賞、最優 秀主演女優賞、最優秀脚本賞をトリプル受賞。その他「インティマシー/親密」のパ トリス・シェロー監督が最優秀監督賞を、ミシェル・ブーケがアンヌ・フォンテーヌ 監督の『どうやって父を殺したか』“COMMENT J'AI TUE MON PERE”の演技に対して最優秀主演男優賞を、最優秀新人女優賞は『カオス』“CHAOS”(コリーヌ・シェロー監督)のラシダ・ブラクニ、最優秀新人男優賞は『ブルー通り17番地』“17, RUE BLEUE”(チャド・シェヌガ監督)のアブデル・ハリスが受賞した。


 モニカ・ベルッチが15世紀ローマに実在した歴史的人物ルクレチア・ボルジアを演じることが明らかになった。法皇アレキサンドル6世の娘であった彼女はその美貌と教養の高さで名声を博していたが、兄チェザーレにより政略結婚を強要され、その後、3人の夫と何人かの愛人を毒殺したといわれている。このドラマティックでスキャンダラスな人生を送ったヒロインの物語は何度も映画化され、特に1935年のアベル・ガンス監督、1952年のクリスチャン・ジャック監督(日本公開名「ボルジア家の毒薬」)は有名。製作はカナル・プリュスで監督はまだ未発表だがフランス人になるとのこと。しかし全編英語にて撮影、製作費用は2200万ユーロということから、明らかに世界的市場を狙っている様。撮影は2003年春にスタートの予定。


 99年の「ユマニテ」から3年、ブリュノ・デュモン監督が現在2本の新作をアメリカで準備中。まずかねてから野心作と話題になっていた“THE END”は砂漠が舞台にそこで発見された一部が食べられた形跡のある死体を巡るストーリー。しかしこの作品の前に『29本のヤシの木』“29 PALMS”の撮影に2月から入る事が明らかになった。写真による.ルポルタージュのためにロス・アンジェルスに来たカップルが性の欲動に屈し、撮影旅行が思い掛けない方向に向いて行く…というやはりナマナマしそうな内容。出演は前2作同様、素人の俳優ということで、国が変わってもデュモン監督の作風はどうやら変わらなさそう。


 昨年、シャルル・ベルリング、エドワール・バエ主演で好評を得た舞台『クラバット・クラブ』“CRAVATES CLUB”が映画化、現在パリを中心に撮影中。その物語は…建築事務所を共同経営する、しかしプライベートでは全く正反対のベルナールとアドリアン。そんなところが変なライバル心を起こさずにうまくやって行く秘訣だったが、ある日、アドリアンがベルナールの40才の誕生日に欠席したことから疑問が生じて行く…というもの。エドワール・バエはこの役で去年のモリエール賞(演劇界のセザール賞)の新人賞を受賞している。監督は舞台を演出したファブリス・ロジェ=ラカンとエドワール・バエの仲間であるフレデリック・ジャルダン。さあ、この2人の俳優+2人の監督=4人の男の映画界での企みはうまくいくかな?ちなみにフランス語で『クラバット』とはネクタイという意味の他にヘッド・ロックという意味も…。


 マルチタレントぶりで知られるアントワーヌ・ド・コニュがナポレオンが1815年にサント・ヘレーヌ島に流された後を描く『ムッシューN』“MONSIEUR N”を監督することになった。もともとルネ・マンゾールという監督が2001年にイギリスの会社の製作で撮影する予定だったが、頓挫。その脚本を読んだコニュ監督が興味を示し、新たにフランスの会社が共同製作として入る事により企画が軌道に乗ったそう。主演のナポレオンは「フェリックスとローラ」のフィリップ・トレトン、ロシュディ・ゼム、エルザ・ジルベルスタイン(同監督の現パートナー)などフランス人の他、イギリスの俳優人もクレジットされる模様。撮影は来年5月スタート。合計14週に渡り、ポルトガル領マディラ島の後、パリ近郊に入る。さて、実は今、フランスではロバート・ホッセン監督の舞台、クリスチャン・クラヴィエ監督のテレビドラマ、パトリス・シェロー監督の映画作品『ベッティと皇帝』“BETSY ET L'EMPEREUR”(主役はアル・パチーノ!)の3つのナポレオンの企画が進行中。さあ、誰のナポレオンが一番はまり役?


 「ヘッドライト」「地下室のメロディ」「シシリアン」などで知られるアンリ・ベルヌイユ監督が1月11日パリの病院で息を引き取った。享年81才。アルメニア人の 同監督は1920年にトルコで生まれるが、大虐殺を避けて家族でフランス・マルセ イユに亡命。ジャーナリストを経た後、パリに上り映画界に入り、51年に初監督を 経験。ジャン・ギャバンとの出会いとコラボレーションが監督としての名声を確実に した。ヌーベル・ヴァーグの登場後も大衆的人気は衰えず、世界中のスターを使って 作品を作り続けた。1月17日午前11時にパリのアルメニア教会で行われた葬儀に はアラン・ドロン、クラウディナ・カルディナーレ、ロマン・ポランスキーなど映画 関係者と往年のファンが続々と駆け付けた。また教会前にはその葬儀の模様が特別に 設置されたモニターに写し出された。翌日には思いでの地マルセイユで再度、葬儀。 土曜日にサン・ピエール墓地に埋葬された。




14 JANVIER 2002

 2月6日から17日に書けて開催されるベルリン国際映画祭コンペティション部門の第1セレクション作品が発表された。10作品中フランス映画は4作品とトップ。先週、フランス公開されたタベルニエ監督の新作『通行許可証』“LAISSEZ-PASSER”や、豪華8大女優が共演とい今から話題のフランソワ・オゾン監督の『8人の女性たち』“8 FEMMES”(GAGA配給)、グルジア出身で80年代以降フランスを拠点に作品を作り続けるオッター・イオッセリアーニ監督の『月曜日の朝』“LUNDI MATIN”、マチュー・カソヴィッツ主演、コスタ・ガブラス監督の『助任司祭』“LE VICAIRE”の名前があがった。最終セレクションは1月下旬に発表の予定。

『通行許可証』“LAISSEZ-PASSER”(ベルトラン・タヴェルニエ監督/フランス)
『8人の女性たち』“8 FEMMES”(フランソワ・オゾン監督/フランス)
『月曜日の朝』“LUNDI MATIN”(オッター・イオッセリアー二監督/フランス)
『助任司祭』“LE VICAIRE”(コスタ・ガブラス監督/フランス)
“HEAVEN”(トム・ティクワ監督/ドイツ)*開幕上映作品
“A MAP OF THE HEART”(ドミニク・グラフ監督/ドイツ)*閉幕上映作品
“THE ROYAL TENENBAUMS”(ウェス・アンダーソン監督/アメリカ)
“MONSTER'S BALL”(マーク・フォースター監督/アメリカ)
“BAD GUY”(キム・キ・ドゥク監督/韓国)
“MINOR MISHAPS”(アネット・K・オレセン監督/デンマーク)


招待作品
“GOSFORD PARK”(ロバート・アルトマン監督/英米独合作)
“TAKING SIDE”(イスツファン・サボ監督/ドイツ)
“VIEL PASSIERT-DER BAP FILM”(ヴィム・ヴェンダース監督)
“HAPPY TIME”(チャン・イーモウ監督/中国)

『通行許可証』“LAISSEZ-PASSER”

『8人の女性たち』“8 FEMMES”



 ジェラール・ドパルデューが新たにハリウッド映画に登場!のニュースが入って来た。現在、シナリオ執筆中の“THE GARBO DECEPTION”は、第2次世界大戦時に偽のスパイ網を作りナチスを信じ込ませ、イギリス軍から「ガルボ」というコードネームを与えられたで実在の人物ジュアン・プジョルの人生にインスピレーションを得た作品。共演者にはケヴィン・スペンシー、ジョン・トラボルタ、シガニー・ウィーバー、そしてエマニュエル・べアールとまさに豪華!の一言。そして監督には「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナンの名前が上がっている。さて、ドパルデュー氏、これらのメンツを従えて大物ぶりを発揮できるか?


 マリー・トランティニャンが伝説のロックの歌姫ジャニス・ジョップリン役に挑戦することに!それも『ジャニスとジョン』“JANIS ET JOHN”というタイトルからも分かるように、この作品は別のロック史に残る人物ジョン・レノンとジョップリンにスポットを当てたかなり贅沢で野心的な作品になりそう。そのジョン・レノン役を演じるのはアメリカに渡って久しいクリストファー・ランベール。確かに彼女のハスキー・ヴォイスはジャニス・イアンのそれに通じるものがあるが、容姿や雰囲気などはちょっとかけはなれたものだし、それはクリストファー・ランベールにもいえること。ちょっと驚きのキャスティングだが、実はそれも新人監督サミュエル・バンシュトリットの思惑だったりして…。


 そしてこちらは若手、ヴァンサン・カッセル。彼も20世紀フォックス製作のハリウッド映画“SIN EATER”に出演することが明らかに。彼が演じるのは教会外で人々の罪を本当に飲み込むことで/その「許し」を与える司祭で、若き司祭に追い詰められるようになる…という物語。監督は「ROCK YOU!(ロック・ユー!)」のブライアン・ヘルゲランド、共演には前作に引き続きヒース・レジャー。イギリス映画、オーストラリア映画は既に体験済みのヴァンサン・カッセルだが、アメリカ映画はこれが初めて。それだけに今をときめくアイドル俳優を相手にどんな怪演をみせるか期待したいところ。撮影は今週スタート。


 監督業のみならず俳優業から「美男子ぶり」が話題のランコムの広告まで、まさに引っ張りだこのマチュー・カソビッツがアメリカの雑誌NEWSWEEKの「今後、活躍が期待される人物」に選ばれた。同誌は彼をを「レネッサンスの人類への現代的な映画の回答(???)」を表現しており、「監督作品「クリムゾン・リバー」から出演作品「アメリ」まで一般の人にも批評家にも印象を与えている。」と評価している。二コール・キッドマンと共演を果たした“BIRTHDAY GIRL”の監督ジェス・バッターワース監督は「彼は大スターになるだろう才能の持ち主。どんな役でも演じきる事ができる」とコメントしている。その他に同誌は政界、経済界、スポーツ界などからも注目すべき人物を選んでいるが、映画を含めた芸術界ではただ一人。これはかなりの快挙といえるが、当の本人は今も自宅のある庶民的&移民の多いワイルドな20区で改造車を仲間と転がしているとか?


 「バンカーパレス・ホテル」や「ティコ・ムーン」など自作のバンド・デシネ(フランスの漫画)を独特のスタイルで映像化するエンキ・ビラルの新作『おとりの女』“LA FEMME PIEGE”にシャルロット・ランプリングが主演する。22世紀のニューヨークにめぐらされる策略の物語だが、十数名の他の出演者はコンピューターで作り上げられるということで、今までのビラル作品を一歩押し進めた形になるのは確か。熱狂的ファンを持つ同監督、そして今、最も脂が載っているランプリングの起用もだけに期待の声も高く上がっている。撮影は新年早々、既にスタートしている。


 2001年のフランスの映画館動員数が1月4日、早々と国立映画センター(CNC)から発表された。総動員数は18442万人で前年比から11、4%のアップ。12月の動員数は2407万人とCNCが月間動員数の調査を始めた二十数年前から溯ると最高の記録となった。その内、フランス映画がしめる割合は7600万人、市場占有率41%と2000年の28、5%から大幅にアップ。200万人の動員数を突破した作品は10本で、これも2000年の3本から3倍以上の数字となった。


タイトル
動員数

「アメリ」

1.
「アメリ」
8,173,491
2.
『パリ原色図鑑2』“LA VERITE SI JE MENS! 2”
7,868,648
3.
「ハリーポッターと賢者の石」
6,977,720
4.
『押し入れ』“LE PLACARD”
5,313,923
5.
「ジェボーダンの獣」
5,174,815
6.
「シュレク」
4,026,010
7.
「猿の惑星」
3,970,011
8.
「ロード・オブ・ザ・リングス」
3,953,422
9.
「アトランティス/失われた帝国」
3,659,197
10.
「ブリジット・ジョーンズの日記」
3,470,162