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ここではパリの最新映画ヒットチャートをお届けします。 |
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10 OCTOBRE 2001 |
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今週は「ブリジット・ジョーンズの日記」が断トツのトップを飾り、ちょっとびっくり。その他は新旧の作品が観客を分け合ったような結果に。4位にランクインしたのはジャック・リヴェット監督の新作で今年のカンヌ映画祭のコンペに出品された、舞台女優カミーユが主人公の『知ろう』“VA SAVOIR”。難解な作品で知られる同監督、しかも上映時間は2時間半という長さだけに、この動員数はちょっと驚き。その
他、ナターシャ・レニエ主演の心理ドラマ『この父の娘』“LA FILLE DE SON PERE”(ジャック・デシャン監督)、マチュー・デゥミ出演、役者志望の若者たちを描いたコメディ『無名役者』“LES ACTEURS ANONYMES”(ブノワ・コーエン監督)が公開された。 |
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VA SAVOIR LA FILLE DE SON PERE LES ACTEURS ANONYMES |
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4 OCTOBRE.2001 |
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今週は話題作「ムーラン・ルージュ」が公開になったため、同作の一本勝ちが予想されたが、蓋を開けてみるとコリーヌ・セロー監督の新作『カオス』“CHAOS”が大健闘。人気を二分する結果となった。子供も独立し倦怠期真只中のカップルと、その2人の前にあらわれる若い女性との間に引き起こされる「騒動」を同監督ならではのストーリーテリングの上手さで見せた作品で、アンチハリウッド派の観客を集めた。その他に公開されたフランス映画は2本。ジャン=ピエール・レオー、ジェレミー・レニエ共演の『ポルノ映画監督』“LE PORNOGRAPHE”(ベルトラン・ボネロ監督)は、5月革命世代で「ポルノを撮る事が政治的だった」という父親と、その父親の職業を嫌悪して家を飛び出した息子の物語。ヌーベルヴァーグの影響が色濃く出た作品となった。また「クリスマスに雪は降るの?」で鮮烈なデビューを飾ったサンドリーヌ・ベイセット監督の第3作目『マルタ…マルタ』“MARTHA…MARTHA”は母親の自覚が持てない精神不安定なマルタとそれを優しく見守り家事を引き受ける夫レイモンと2人の娘リーズが主人公。第2作『ヴィクトール…とても遅い時間に』“VICTOR…PENDANT QU'IL EST TROP TARD”もあわせて3作とも「子供」がテーマ。監督自身が「無意識にこうなった」と語っているだけに、今後のテーマの変化が楽しみと言えるかも。 |
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CHAOS LE PORNOGRAPHE MARTHA…MARTHA |
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26 SETEMBRE 2001 |
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公開最新作品が上位を占めた今週。2位にランクインした『神様は大きく、私は小さい』“DIEU EST GRAND, JE SUIS TOUTE PETITE”は「アメリ」旋風を巻き起こしたオードリィ・トトゥが主役のコメディ。「自分の人生は失敗」と思っている20才の女の子がユダヤ人の男の人に恋をして…という「アメリ」同様に自分探しをする物語。監督はこれが初長篇となるパスカル・バイリー。今まで短編を2本とっているが、サンドリーヌ・キベルラン、エルザ・ジベルスタイン、マチルド・セニエなど今を時めく若手たちを無名時代に起用しているだけに、俳優発掘の才能あり?5位の『将校たちの部屋』“LA CHAMBRE DES OFFICIERS”(フランソワ・デュペイロン監督)は今年のカンヌ映画祭で公式セレクション作品。第1次世界大戦が背景の歴史ドラマ。公開直前には各テレビ局のニュース番組で取り上げていた。その他、作家性の強い作品を作りつづけ、10月にポンピドーセンターで全作品が回顧上映されるジャン=ダニエル・ポレ監督の『目の前にいる人たち』“CEUX D'EN FACE”、フレデリック・ヴィドー監督自身の父親(最初はアラン・ドロンかジェラール・ドパルデューを起用したかったとか!)との関係を描いたドキュメンタリータッチの『ジャン=クロード・ヴィドーの息子』“LA FILS DE JEAN-CLAUDE VIDEAU”が公開された。 |
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DIEU EST GRAND, JE SUIS TOUTE PETITE LA CHAMBRE DES OFFICIERS |
CEUX D'EN FACE LA FILS DE JEAN-CLAUDE VIDEAU |
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19 SEPTENBRE 2001 |
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今週はこの秋の目玉超大作の一つ、謎の人物に殺された探偵の謎を追う歴史ファンタスティクスリラー『ヴィドック』"VIDOCQ"が公開に。世界初の全編ハイヴィジョンデジタル撮影された作品を監督したのは、ベッソン監督の「ジャンヌダルク」やジュネ監督「エイリアン4」の特種効果を担当したピトフ。脚本は「クリムゾン・リバー」の原作者で共同脚本を担当したジャン=クリストフ・グランジェ。出演するのはジェラール・ドパルデューと若手俳優としてひっぱりだこのギョーム・カネ。この豪華なメンバーで見事1位を獲得!と喜ぶのはまだ早く、1スクリーンに対しての
集客は695人と今年の2月に公開された『狼たちの契約』"LE PACTE DES LOUPS"の1092人を遥かに下回る数字なのだ。それだけに今後、どれだけ数字を伸ばすかが見物。5位にランクインされた『どうやって父親を殺したか』"COMMENT J'AI TUE MON PERE"はアンヌ・フォンテーヌ監督とシャルル・ベルリングの「ドライ・クリーニング」コンビによる心理ドラマ。「現代のオイディプス」とも言える父と子の愛憎渦巻く関係を、ベルリングと久々の映画復帰となったミッシェル・ブーケが好演している。そして10位に入った『人間的な愛情で満ちたミルク』"LE FAIT DE
LA TENDRESSE HUMAINE"は現代の女性の社会的な状況を心理的に描き続けるドミニク・キャブレラ監督の新作。急にパニックを起こし、生まれたばかりの子供を置いて家出する女性クリステルと残された夫ローランのカップルと、2人をとりまく人々の物語。その他、作家性の強い独特の作品を作り続けるストローブ&ユイエ監督の新作『労働者たち、農民たち』が公開された。 |
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VIDOCQ COMMENT J'AI TUE MON PERE |
LE LAIT DE LA TENDRESSE HUMAINE OUVRIERS, PAYSANS |
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先週発表分で「同級生」と明記した作品は「ヒューマン・ネイチャー」が正しく、先の題名は全く別の作品でした。ここに訂正し、お詫びいたします。 |
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12.SEPTEMBRE 2001 |
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先週起きたアメリカのテロ事件を受け、湾岸戦争以来の厳戒体制に入ったパリ。翌日にあたる12日はその影響を受けて昨年比26%ダウンとなった。注目すべきは、今週のベストテンのうち5本がフランス映画(合作含む)。久々にフランス色の強いランクになったが、しかも3本は作家性の強い作品とちょっと珍しい結果になった。先週、変則公開されたエリック・ロメール監督の『イギリス女性と公爵』“L'ANGLAISE ET LE DUC”は8位にランクイン。フランス革命が王党派のイギリス人女性の第一人称の目から描かれ、しかも背景は絵画をCG処理で取り込むというクラッシクな内容を野心的に作り上げたがが、これが逆に映画に真実みを与えており、脱帽!そして10位に食い込んだ『家路』“JE RENTRE A LA MAISON”はフランス・ポルトガル合作。世界最年長のポルトガル人監督マノエル・デ・オリヴェイラがお気に入りの俳優ミシェル・ピコリと組んだ本作は今年のカンヌ映画祭のコンペに出品された。ある日、交通事故で妻と娘夫婦を突然失った舞台俳優の「その後の人生」をちょっとしたユーモアを加えて描いている。過剰な演技に頼るのではなく、小さな描写や動作さから「話のない話」を語る手法は監督とミシェル・ピコリの円熟さなしでは不可能と思わせるぐらい的確。ちなみにタイトルロールとなった最後の部分は、実際に同監督の前作でミシェル・ピコリに起こったこと。その出来事から、この作品の下書きができたという逸話付き。おじいさん監督二人の職人芸が印象的な今週でした。 |
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JE RENTRE A LA MAISON |
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5.SEPTEMBRE 2001 |
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今週は1位から4位が僅差というちょっと珍しい結果に。その内、新たにランクインした2本がフランス映画。見事1位を制したのは『一羽の燕が春を連れて来た』“UNE HIRONDELLE A FAIT LE PRINTEMPS”(クリスチャン・カリオン監督)。実はこのタイトル、フランスの諺「燕が一羽いるからといって春がきたことにならない」つまり「1ついいことがあったからといって全体が好転するわけではない」の裏をとったもの。パリの生活を捨てて田舎にやってきたパリジェンヌとそこに住む老人が築き上げる関係を描いたコメディ。マチルド・セニエ(「ハリ−、おせっかいな友
人」)とミッシェル・セローという映画そのままに世代の違う俳優二人が的確に演じている。そして4位に食い込んだのは今年のカンヌで賛否両論を巻き起こした『ピアニスト』“LA PIANISTE”。「性倒錯者」を扱った内容はジャンヌ・モローが出演を断わったほどのショッキング。この作品で最優秀女優賞を受賞したイザベル・ユペ−ルしか演じられる人はいない?そしてヴェニス映画祭に併せてエリック・ロメール監督の最新作『イギリス女性と公爵』“L'ANGLAISE ET LE DUC”が9月7日に変則公開。批評家からは大絶賛を受けているだけに、週間ランキングにどう食い込むかが見物。 |
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UNE HIRONDELLE A FAIT LE PRINTEMPS LA PIANISTE L'ANGLAISE ET LE DUC |
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