ニューヨーク・インデペンデントの隠れた伝説であったアモス・コレック監督と女優アンナ・トムソン。パリジャンたちは、時にふたりをジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズのイメージに重ね合わせ、そこに描かれる愛の飢餓感がカサヴェテス映画の再来だと絶賛した。まるで都会の霞を喰って生きているような女。フェイクファーを身に纏い、寒空のマンハッタンを歩く大人の女のアンニュイを体現して、アンナ・トムソンは、ジーナのそれとは少しばかり異質のヒロイン像を、人々に印象づけた。現在、監督のアモスと主演女優アンナは、「パリのアメリカ人」としてシネフィルやインテリたちの間でカリスマ的な人気を誇っている。