ニコラの夢想は決して特別なものではない。私の映画にはよく“ほんの少し異常な人びと”が登場すると言われますが、そうじゃない。彼らはみな“他の人と同じように異常”なだけなのです。

※「なまいきシャルロット」「小さな泥棒」「伴奏者」など、思春期の子供たちの繊細な感情を、こまやかな視点で描くことに定評がある。今回は、初めて少年の心の闇を取り上げて、カンヌ国際映画祭をはじめ、世界各国で絶賛された。



ぼくは、ある特殊な状況下にいる子供のことを知りたかった。あの子たちはいったい心に何を感じたのだろう。現代社会では恐怖が日常化して、私たちは感覚が麻痺してしまっている。でもあの子たちの心の傷を思うと、なんともやりきれない気持ちになってしまうんだ。

※フランスでベストセラーを記録し、95年のフェミナ文学賞を受賞した「冬の少年」は、主人公の少年の夢と現実の境界線がサスペンスと恐怖を生むと言う、斬新なスタイルでセンセーショナルな話題を集めた。カレールは、新進気鋭のファンタジー作家として、これからの活動も大きな関心を寄せられている。



ぼくとニコラは正反対の人格なんだ。彼はひとりぼっちさ。いつも誰かに関心を持って欲しいって、信号を送っている。だけど誰も気付いてくれない。だから恐ろしい夢を見ちゃうんだ。でも、ニコラになりきったら、本当に怖くなっちゃった。

※パリ生まれの現在15才。クレモンは、映画のニコラとは正反対の、快活で現代的な男の子だ。この映画に出演するまではテレビ番組に出ていたが、ミレール監督に見初められてこの難役を見事に演じ切った。次回作は、女教師役のエマニュエル・ベルコがメガホンを取る新作で、再び教師とその教え子の役を演じ合う。