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ニューヨークのトライベッカ。賭けの胴元でもあるルイ(ダニー・アイエロ)は長年、街の食堂として人々に愛されてきたイタリアレストラン《ジジーノ》のオーナーである。ところが、そんなある日、長年のルイのビジネスパートナーが殺害される事件が起きる。ルイの頭を悩ませているのは、そればかりではない。ルイの息子で、野心家のシェフ長でもあるウード(エドゥアルド・バレリーニ)が、ルイの意に反して、店を流行発信地のトレンドなレストランへと大変革させてしまったからだった。そんなジェネレーション・ギャップから生ずるビジネス感覚の確執のせいで、お気に入りの厨房に立っても、ルイの気分はまったく優れないのだった。 そのウードにとって、アシスタント・シェフのダンカン(カーク・アセヴェド)が、もっかのところのライバルだ。ふたりはルイの信頼と、セクシーなウェイトレス、ニコール(ヴィヴィアン・ウー)の愛情を獲得するため、毎晩厨房で妍を競いあっている。ギャンブル中毒者のダンカンは、借金で首が回らず、ルイを激怒させるが、それでも彼のお気に入りなのは、ダンカンがルイの味を受け継ぐ庶民的な料理を得意としているからだ。そして、雑学の天才であるバーテンダー、ショーン(ジェイミー・ハリス)と、野心的なウェイトレス兼アーティスト、マーティ(サマー・フェニックス)が、このレストランに働くユニークなメンバーである。 そしてその夜も、レストランには個性豊かな客たちが顔をそろえた。クイーンズのギャング、通称“ブラック&ブルー”のチンピラ、カーメン(マイク・マッグローン)と太っちょの相棒。彼らはルイの賭けのビジネスだけでなく、長年愛したレストランまでも乗っ取ろうとしている。あるいは、殺されたルイの相棒の娘で、ルイが長年、思いを寄せているナタリー(ポーリー・ドラッパー)。ウォール・ストリートで働いている常連客のケン(ジョン・コルベット)。鼻持ちならないギャラリーのオーナー、フィッツジェラルド(マーク・マーゴリ−ス)。うぬぼれ屋の料理評論家のジェニファー(サンドラ・バーンハード)。彼女は肉体関係を結んだウードを、マンハッタンのグルメ界のトップにまで押し上げることに成功した凄腕だ。 やがてその夜が、ルイとウード親子にとって世代交代のバトンが手渡されるとき、意外な終結を迎えることになることを、ここに顔を揃えた人々はまだ知る由もなかった……。 |