| 「どうか訪れておくれ。愛の時間よ。共にとけあう時間よ。待ちわびる日々が思い出を葬る。恐れも彼方も、空の彼方に飛び散った」 詩人志望の黒人オードリーとナイーブな恋人ヴァル グレイス同様、詩人をめざす黒人の若い女性オードリー(ロザリオ・ドーソン)は、ナイーブな恋人ヴァル(マーク・ウェバー)との関係に、心を痛めていた。詩人としての純粋な夢を抱き、たとえ、貧乏でも、彼との愛の生活を望むオードリー。一方のヴァルはオードリーを愛しながらも、貧乏生活に飽き飽きしていて、悪い仲間クラッチズ(ケヴィン・コリガン)とのうまい儲け話に興味を持つ。 そして、メキシコで稼ごうというクラッチズからの誘いに心が揺れていた。時にはホテルに何日も戻らず、オードリーを心配させる。 ふたりのチェルシー・ホテルでの時間には、優しい愛があふれている。しかし、それが永遠には続かないことをオードリーは知っていた。 ある朝、珍しくスーツを着込んだヴァルを見て、オードリーはすべてを悟った。クラッチズと車で街を出る決意をした彼をオードリーは切なく見つめる。「老人になっても、ふたりで笑いながら、上等のコートを着て、雪のセントラル・パークを歩くんだ」と、自分の夢を語るヴァル。愛を込めながらヴァルをみつめ、別れを告げるオードリーだった。 |