| 「このままじゃイヤなんだ。耐えられない。夜通し働いて、昼間は寝るだけ」 ミュージシャン志望のテリーとロス ミネソタからミュージシャンとしての成功を夢見て、ニューヨークにやってきたのが、テリー(ロバート・ショーン・レナード)とロス(スティーヴ・ザーン)だ。ホテルヘ車を走らせながら、ギターに合わせて歌を口ずさむ。陽気でおしゃべりなロス。彼とは対照的に内省的な雰囲気のテリー。彼はまるでかつてのボブ・ディランのように都会の孤独を歌おうとする。ふたりはチェルシー・ホテルに滞在するが、夜は作曲し、昼は眠るという昼夜逆転の生活に、次第に疲れ始める。ある夜、ロスは街で出会った3人の客を連れて部屋に戻ってくる。派手な雰囲気の女性ローナ、ハイスクールに通う少女、黒人の少年。ロスはごきげんな笑顔を見せているが、創作活動に疲れきったテリーは自分の世界から出ようとせず、ローナの誘惑をかわす。そんなテリーに対して少年は、「大人になったら、探偵になりたい。誰の目にも映らない男になるんだ。ウォールマンと呼ばれ、僕は壁に溶け込む。生身の盗聴器になるんだ」と妙に哲学的な話をする。ハイスクールに通う少女は、テリーの側にすわり、彼の過去の話に耳を傾ける。テリーの弟は事件を起こして逮捕されたことがあり、テリー自身は療養所でロスと出会い、ミュージシャンになろうと決意したのだ。苦い過去の話を聞きながら、少女も彼に誘惑的な眼差しを向けるが、テリーはその誘いもかわしてしまう。明け方、テリーはガールフレンドだった女性に電話をかけ、辛い創作活動を振り返る。彼女との会話に一瞬癒されたものの、彼の心はどこかうつろだ。やがて、彼の部屋に入った警官たちはその変わり果てた姿を発見する??。 |